15分のデジタルな移動より、40分の豊かなノスタルジーを。特急ソニックの車窓から見つめる、私たちの空間美学。
こんにちは、株式会社東野ビルディングです。
北九州市と、旗艦物件を展開する福岡市。私は日々のビジネスの中で、この二つの都市を頻繁に行き来しています。基本は愛車を駆っての移動が多いのですが、時にはハンドルを離れ、鉄路に身を委ねる時間も、私にとってはかけがえのないひとときとなっています。
北九州と福岡を結ぶ鉄道といえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのが新幹線でしょう。
わずか15分という驚異的なスピードで博多〜小倉間を滑り抜ける新幹線は、現代の「タイパ(タイムパフォーマンス)」の象徴です。しかし、あのあまりにも静かで、あまりにも速すぎる15分の車中では、落ち着いてパソコンを開いて仕事をすることすらできません。
だからこそ、私はあえて新幹線を選ばず、青い車体が印象的な在来線特急「ソニック」のシートに腰掛けることがあります。
ソニックが刻む、トントンという在来線特急ならではの確かな揺れ具合。線路を走るガタゴトという五感に響く音。
車窓を流れる景色を眺めながらそれらの音に耳を傾けていると、私の胸の奥が、じんわりと熱くなるのを感じます。この音と揺れは、私がまだ小さかった頃、たまにですが両親が連れて行ってくれた家族旅行の時の記憶と、全く同じだからです。
便利さと引き換えに削ぎ落とされてしまった、あの懐かしく、温かいノスタルジー。効率だけを追い求める現代において、ソニックに揺られる約40分の時間は、私にとって失われかけた「人生のゆとり」を取り戻すための、極上のOFFの時間なのです。
この「効率の数字や早さだけが、人生の正解ではない」という思想は、まさに東野ビルディングが手掛ける空間づくり、そしてこれから動き出す新たなプロジェクトの根底にある哲学そのものです。
世の中の多くの建物は、コストパフォーマンスや万人受けの効率ばかりを重視し、無難で味気ない箱になりがちです。しかし、私たちが創りたいのは、一歩足を踏み入れた瞬間に、どこか懐かしく、心から五感が解放されるような「エモーショナルな体験価値」を詰め込んだステージです。
ただ早く移動する、ただ広く住まう。そんな記号のような暮らしではなく、空間に宿るディテールや質感にこだわり、入居者様やそのご家族が「ここにいる時間が何よりも愛おしい」と思える豊かな時間を分かち合いたいと願っています。
ところで、この小倉〜博多間の鉄道には、面白い大人のトリビアがあります。
同じ九州の地でありながら、実は新幹線は「JR西日本」、在来線は「JR九州」と、運営している会社が全く異なります。そのため、小倉駅と博多駅には、新幹線の駅長と在来線の駅長という、ひとつの駅に「二人の駅長」が同時に存在しているのです。
同じ場所、同じ目的地を目指していても、どのルートを選ぶかで、見える景色も、出会う物語も全く違う。
大手デベロッパーが造るような、画一的で効率重視の新幹線のような建物も世には必要かもしれません。しかし、東野ビルディングは、あえて在来線特急のように、手間をかけ、ロマンを乗せ、暮らす人の人生にどこまでも寄り添うような、唯一無二の“尖った”ステージをこれからも造り続けます。
今この瞬間も、皆様に最高のワクワクをお届けできるよう、裏側では着々とその準備を進めています。私たちのこれからの挑戦に、どうぞご期待ください。